先日麻酔科専門医試験が終了しました。
当医局からの受験者はすべて合格という大変おめでたい結果となりました!
(本記事は専門医試験の受験生に書いていただいています)
今回は大学医局に所属しながらの試験対策(絶賛子育て中ママ医師)の振り返りをしようと思います。
専門医試験は、仕事も任されることが増える時期に、プライベートでも結婚出産など訪れるようなタイミングでやってきます。しっかりメリハリをつけて対策をしてこそ、合格に近づくと感じました。
さて、私の背景を簡単にお話ししますと、子供2人、夫はメジャー内科で拘束時間が長く、実の両親も仕事があってフルサポートは望めないような状況です。
2017年に専門研修を開始しましたが、途中で計2年間産休育休でのブランクを挟んでの受験でした。
時短勤務ですが、仕事以外の時間は送迎や家事および行事などで隙間の時間がほとんどない状態、どこに勉強の時間を挟むのかが最大の課題でありました。
時間がないのは皆同じだと思いますが、限られた時間で乗り切るポイントを挙げていきたいと思います。
1. iPadでの勉強
今はタブレット学習が当たり前となっていますが、私たちは分厚いクエスチョンバンクやイヤーノートで勉強してきたおそらく最後の世代に近いかなと思います。
勉強は紙派だよな〜と思いつつ、後輩たちがカッコよく勉強会のメモや教科書をiPadで管理しているのを見て、これは導入するしかないと重い腰を上げました。
これがやはり便利、重い教科書を持ち歩かずに済む、ガイドライン類も一気にPDF化してダウンロード、書き込み、スクショで切り貼り…一台持てば外出中の隙間時間や移動時間にパッと見る事ができ大変便利でした。
ただし、口頭試問の受付後は電子デバイス禁止なので、その30分くらいの最後の確認に使える書籍やメモは用意してくださいね。
2. 先人たちからのアドバイス
過去問は何年分解くか、買うべき参考書、口頭試問対策、神戸遠征のホテルetc...経験者が言うことはなるべく参考にしました。年度が近ければ近いほど、参考にした方が良いと思います。
こう言ったリアルな声を聞けるのも、毎年必ず受験者が複数いるような環境ならではと思いました。
3. 一緒に受ける仲間
一緒に受ける仲間も大切です。私の場合ブランクがあるので、心臓麻酔などから離れて時間が経っていて、一度リハビリを経てやっと一般麻酔に慣れてきたようなところもあります。
専門研修からストレートで来ている仲間たちは、自分よりもフレッシュな記憶と、勢いがあり、仕事や勉強にそれなりの時間が確保できるため、しっかり準備をして臨んでいます。
勉強を始めるタイミングや内容など、色々と話しながら背中を押してもらえました。
4. 合同の勉強会
関わりのある他大学とオンラインで行う口頭試問対策の勉強会に参加する事ができました。これが本当に役に立ちました。
朝の20〜30分を週に一回だけでなので、私のスケジュールにも無理はなく参加することが出来ました。
時には送迎中に公聴のみ、と言うこともありましたが、移動しながらでも耳からインプットできて良かったです。突然渡される課題に、自分の言葉で答えると言う練習がここで出来ていたので、口頭試問直前も落ち着いて準備出来ました。
同時期に受ける受験生たちが、どんなレベルでどこまで答えられるかもわかり、自分の何が足りないのか、明確になります。
5. 医局全体で応援してくれる
試験が近づいてくると、勉強に集中出来るように、忙しいながらも気配りをして頂けます。
口頭試問何が出るかな〜と一緒に予想したり、内容そのものはもちろん聞けませんが、試験委員や試験官をしている先生方に受験者のどういうポイントを見ているか、などを伺うこともできます。
こういった日々の症例や会話の中で、この患者さん問題にできそうなど、実臨床でやった事は記憶に残るなと思いました。
試験日の移動なども加味した症例づけなど、本当に周りのサポートをありがたく感じました。
たかが専門医試験、されど専門医試験。通過点ではありますが、やはり一つの区切りとなる目標の方も多いと思います。
国家試験以来の試験勉強、定期的に勉強していた頃より勉強の感覚も乏しく、時間も限られる状態でなかなかハードでしたが何とか乗り切る事ができました。
試験に向けて配慮してくださった方々、ご指導ならびにアドバイスを頂いた医局員のみなさまに感謝です。
写真は1人で乗れた新幹線の記念です。
同じ時期に受験した友人とご褒美何にするかを話していましたが、私にとってはもはや試験前後の誰にも邪魔されない時間がご褒美でした。子供がいるといつも時間に追われていたり、常に誰かを気にしていますが、1人で動く時間は勉強にも集中出来ました。
以上専門医試験の振り返りでした。